咳嗽のおこる、発生機序、メカニズム
咳(咳嗽)とは本来は、のどから気管、気管支などの気道内に何かの異物がはいったときに、それがあると詰まって死んでしまいますから、まずは、この異物を体の中から排除するために起こる、もっとも体に必要な生体防御反応ということができます。
もしも、咳嗽が全くなくなってしまったら、気管に何かが詰まって息ができなくなったり、痰の中に細菌がいると、肺炎になってしまいます。
咳は大きく分けて痰のある咳と、痰のない空咳に分けられます。
痰を出すメカニズムとしての咳は(湿性咳嗽といいます)、痰が詰まると息ができませんから、わかりやすいのですが、咳だけで、何もでない、いわゆる空咳(乾性咳嗽といいます)は、今のところ、実は、完全にそのメカニズムが分かっているわけではないのが現実です。
まず、その仕組みは、気道のなかに存在する受容体というところに何らかの刺激がおこり、それが延髄咳中枢に伝わっていき、頭の中で種々の神経を介して、胸やお腹な、首などの呼吸筋といわれる一群の筋肉や、喉頭、気管支に伝わって発生する、神経反射というものです。
例えば手のひらに氷をのせると冷たいですが、これは手のひらにある温度を感じる受容体というところに刺激となって、冷たいと分かるわけです。
気管支の中にもこのような刺激というのを感じる神経の末端、受容体があって、分かるわけです。
気管支は肺の中でどんどん枝分かれして、細くなっていきますから、あんまり細いところには神経はなく、肺の端の方、末梢というところでは、咳の刺激を感じる神経はありません。ですから、そこに大きな癌ができても、咳のような症状にはならないのです。
空咳という、乾性咳嗽の一つの起こる仕組みとしては、この反射経路のなかで,咳受容体の感受性が何らかの原因で冗進する場合で、一般的は咳を起こす病態の中で、よく見られようです。
もう一つの空咳の機序として、気管支を取り巻く平滑筋という筋肉があって、これが収縮することによって平滑筋のなかにある、知覚神経末端というところが刺激され、先ほどと同様な感じで、延髄から頭の中の咳中枢に伝わって咳が起こると考えられます。
これは、大きく息を吸うと急にそれが刺激になって咳がでることがありますので、わかりやすいかもしれませんね。体の中で気管支などが急に大きく引き延ばされることが咳の原因となっているのです。
最近有名な咳喘息ではこの機序、メカニズムによって咳嗽が発生すると考えられています。
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